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気功・内家拳と合気道について
京都内家気功拳友会および柳心館合気道場主催 柳 高明(2021年3月15日記す)
やなぎ たかあきら
いわゆる、中国大陸由来の気功術と同じ“気”(あるいは氣)の一文字を有する日本武道、合気道は、
合気道の古い師範によれば、全く関りが無いと、断言する方も居ますが、一度、太極拳や八卦掌などの
内家拳や多くそれらから派生した気功に触れたことがある合気道家は、その類似点(例えば、相手の力
を受け流す、気の流れに従い動く、固体的ではなく流体的、脱力や丹田を重視している)の多さに驚く
わけです。
合気道は、和歌山県田辺市出身の植芝盛平先生(開祖と呼ぶ)が、昭和に完成させた武道で、古流柔術
(起倒流、柳生心眼流など)や、古流剣術、槍術の動きに加え、武田信玄の家伝である大東流合気柔術を
その術理の中心に据えたという話はよく知られています。しかしながら、その武道としての思想・風格は
随分、大東流とは異なっており、柳生独特の入り身や、大東流の流れとは異なる古流剣術・槍術の理合いが、内包されているため、私見ではありますが、より実戦性の高い、それでいて、哲理は争わない武道となっており、ある意味、太極拳の理念とも繋がる武術だと言えます。
さらに私見を述べると、武田氏の祖先、新羅三郎義光(しんらさぶろうよしみつ)公に始まるとされる
大東流合気柔術も、もとは甲斐源氏である武田氏に伝わる武術を継承発展したはずであり、甲斐の黒駒に
代表される大陸由来の馬を有する、源氏の一族は、元々はユーラシア大陸からやってきて、その武勇を誇ったものと推測します。(傍証としては、私の上海で学んだ趙堡太極拳(別名、和式太極拳)は、中国の武当山起源で、河北省で発展した武術であり、合気上げの原型や、丹田技、一教、二教、四方投げ、入り身投げの原型さらには、多人数掛けの原型と思えるものまで存在しています。)
また、定歩(あまり動かない)で武技を練る太極拳は、ある意味、大東流に似ており(螺旋勁など)、
運歩で武技を練る八卦掌は、よく合気道に似ていると言われますが、私も合気道は、“歩く太極拳”と
言われる八卦掌に技の体系が似ており、もちろん、大東流の技も内包するため、太極拳に似た螺旋勁や
丹田の使い方、腰の落し方がよく似ており、これは、一説には、植芝大先生が、満州建国大学にて、
太極拳や八卦掌と交流したということと関係があると思っています。
気功に関しては、大半の気功が内家拳や少林拳の内功を元に成立しているため、合気道にも似てくるのは、当然と言えましょう。
以上、歴史と私見を少々織り交ぜて話してしまいましたが、以下に合気道の基本と上級技をリンクしますので、内家拳や気功に造詣が深い方々も、是非、ご覧になって、合気道にも触れていただきたいと思います(合気道は道場によって、かなり技の解釈が異なりますし、私共の稚拙な術では伝えきれませんが、ご容赦ください)。
<合気道動画:合気道基本と上級技>
1、座技呼吸法 2、半身半立技 3、体の転換と変更技 4、小手返し
5、一教 6、二教 7、三教 8、四教 9、入り身投げ
10、回転投げ1 11、回転投げ2 12、天地投げ1 13、天地投げ2
14、四方投げ1 15、四方投げ2
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